
急性期病棟から訪問看護へ。新しい一歩を踏み出すとき、「病院とはまったく違うのでは」「営業のような仕事だったらどうしよう」と不安を感じる方も多いかもしれません。
Y.Hさんも、そんな不安を抱えながら急性期病棟から訪問看護の世界に飛び込んだ一人です。
しかし、最初に選んだ企業系のステーションでは、営業ノルマや契約件数を重視する環境に「自分のやりたい看護はこれなのか」と深く悩んだと言います。
そんな彼が「ここなら自分らしく働ける」と再び選んだのが、大田病院の訪問看護ステーションでした。入職の決め手となった「雰囲気の良さ」とは?
そして転職の不安を支えてくれたサポート体制について、詳しく聞きました。
Profile
Y.Hさん おおもりまち訪問看護ステーション
出身:神奈川県
家族構成:両親・弟・妹(現在は寮で一人暮らし)
趣味:バイクでの旅行(東北一周・長野・愛知などへ)
看護歴:6年
キャリア:2020年新卒で大学病院消化器外科病棟4年勤務、その後企業立の訪問看護ステーション2か所 10か月、4か月勤務。
✅おおもりまち訪問看護ステーション看護師(常勤)募集要項
✅おおもりまち訪問看護ステーション看護師(非常勤)募集要項
私が「看護」という仕事を意識したのは、5歳の頃の体験がきっかけでした。
山形に住む祖母が末期がんを患い、「どうしても家に帰りたい」という願いを主治医の先生が叶えてくれたんです。
まだ在宅医療の仕組みがほとんどない時代でしたが、先生は診療が終わった後に夜中でも家に来てくれて、痛みの調整や相談にのってくれていました。その姿が強く印象に残っています。
両親が薬剤師だったこともあり、医療現場は身近な存在でした。母が病院薬剤師として働いていて、小さいころは病院に連れて行ってもらうこともありました。
家には母の同僚である看護師さんがよく訪ねてきて、自然と看護の話を耳にする機会も多かったです。
小学生の頃は純粋に「看護師になりたい」と思っていましたが、中学生の時、父の知人の医師から「やりたいことが多いなら医者を目指してみたら」と言われたことをきっかけに、医師を目指しました。
浪人を経て最終的に看護の道を選び、看護学科に進学しました。
祖母の在宅療養の経験がずっと心に残っていて、「患者さんが望む場所で過ごせるように支えたい」と思っていました。
まずは病院で「どんな人が在宅を選んで帰るのか」を知りたいと思い、大学病院の急性期病棟に4年間勤務しました。
消化器外科ではストーマを造設して退院される方など、退院支援が多い部署でした。
1年目から退院支援看護師や持ち帰り指導に関わる中で、「患者さんは何をしたいのか」「どんな思いで家に帰るのか」という気持ちに寄り添う大切さを学びました。
5年目で訪問看護の世界へ転職しました。最初は企業系の訪問看護ステーションに入りましたが、「在宅でその人を支えたい」という思いとは少し違っていました。
営業ノルマや契約件数など、ビジネスとしての側面が強く、「お金になるからやる」という言葉が飛び交う環境に違和感を覚えました。
2社目も同じように企業色が強く、富裕層向けの訪問が中心で、言動やケア内容が細かくチェックされる日々。
患者さんに本当に必要な支援ができているのか、自分の看護が誰のためになっているのか、疑問を感じていました。
そんなとき紹介会社から「医療法人が運営している訪問看護ステーションが合うのでは」と勧められ、見学に行ったのが大田病院系列のステーションでした。
見学の際に感じたのは「雰囲気の良さ」。スタッフが生き生きとしていて、会話が弾んでいる。「訪問看護が好き」という空気が伝わってきて、ここなら自分もやりたい看護ができそうだと感じました。
入職前は「医療としての訪問ができるのか」「営業のような仕事になってしまうのでは」と不安もありましたが、実際に働いてみるとまったく違いました。
みんなで意見を出し合い、相談しながら利用者さんのために工夫を重ねていく。
「どうしたらもっと良くなるか」を一緒に考えられる職場です。

担当しているのは、高齢者や脳梗塞後の方、重症心身障害のある若い方、精神疾患の方など、幅広い利用者さんです。
1日のスケジュールは、午前・午後それぞれ3~4件の訪問。
範囲はおおむね20分圏内で、以前よりずっと効率的に動けています。
訪問看護は、その人の生活の場に入る仕事です。
疾患の管理だけではなく、その人らしい生活を尊重しながら看護を組み立てていく必要があります。
理想と現実のすり合わせは大変ですが、それがうまくいったときには大きなやりがいを感じます。
家族の介護負担を少しでも減らせたとき、表情がやわらかくなった瞬間を見ると、「この仕事をしていてよかった」と思います。
ステーションは「にぎやかであたたかい」職場です。
所長・副所長を中心に2チームで訪問範囲を分担し、常勤はカバーし合いながら動いています。
朝は30分の情報共有から始まり、何でも話しやすい雰囲気があります。
掲示板にも情報がまとめられており、チーム全体で支え合う体制ができています。
法人内の病院や診療所との連携もスムーズで、利用者さんの変化があればその日のうちに医師へ報告。
連絡がつかない場合もFAXなどで共有し、次の往診時に確認してもらう流れが整っています。

入職後は、eラーニングなどの研修のほか、同行訪問が中心です。
不安なときは何度でも同行してもらえ、私は最大で5回ついてもらいました。
事務所内は声が届きやすく、「これ分からないな」とつぶやくだけで誰かが反応してくれるような雰囲気です。
所長・副所長も常に現場の情報を把握していて、すぐに相談できます。
また、月に1回面談があり、不安や悩みを話す機会があります。
アンケート形式で意見を出せる仕組みもあり、サポート体制がしっかりしています。

これまで働いた中で一番コミュニケーションがとりやすい職場です。
以前は挨拶をしても返ってこないような職場もありましたが、ここではそんなことはありません。
みんなが声をかけ合い、助け合う雰囲気があります。
オンコールはシフト制で、急な用事があればお互いに柔軟に対応しています。
プライベートの時間も大切にでき、オンコールがない週末にはバイクで旅行に出かけることもあります。
月1回は長距離を走りに行くのがリフレッシュです。
私が大切にしているのは「その人の話をきくこと」。
専門職として知識がある分、「こうしたほうがいい」と提案したくなることがありますが、まずは相手の気持ちや願いを受け止めるようにしています。
印象に残っているのは、90代の男性を70代の娘さんが一人で介護していたケースです。
娘さんは「最期まで家で見てあげたい」と強く願っていましたが、医師からは「病院でないと難しい」と言われて悩んでいました。
そこで、私から医師に連絡し、ご家族の希望を伝えました。
先生も考えてくださり、「毎日訪問して皮下注を行えば在宅で対応できる」と提案してくれました。
1週間後、利用者さんは少し回復し、車いすで過ごせるようになりました。好きだったメロンを食べ、日本酒をおちょこ1杯飲み、穏やかに眠るように旅立たれました。
後日、娘さんから「最期、笑っていたんです」と言われたとき、心からこの仕事を選んで良かったと思いました。

これからも「その人の人生に寄り添える看護師」でありたいと思います。
在宅では、疾患だけでなく生活・家族・その人の生き方すべてを見つめる必要があります。
教科書どおりにはいかないからこそ、やりがいがあります。
若手が入職してきたら、そうした在宅ならではの視点を一緒に学びながら支えていきたいです。
訪問看護を経験したあとでも、病棟で通用する力をつけられるようなサポートをしたいと思っています。
最後に、これから訪問看護を考えている方へ。
「やってみないとわからない」というのが本音です。
不安があっても大丈夫。チャレンジしてみれば、きっと新しい発見があります。
リハビリスタッフとも密に関われて、病院では学べない視点が得られる職場です。
在宅に興味のある方には、ぜひおすすめしたいステーションです。
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