急性期の外科を中心に、多様な患者さんに関わる5病棟。
HCUでの全身管理やターミナルケア、さらに退院後訪問まで、幅広い経験を積めるのが大きな特徴です。
病棟の雰囲気は、役職者も若手も関係なく声を掛け合い、困ったときは必ず誰かが支えてくれる温かいチーム。
今回は、師長に「働きやすさ」と「学びの場」としての5病棟の魅力を語っていただきました。
Profile
Sさん 大田病院 5病棟師長
出身:東京都大田区
家族構成:子ども4人
趣味:休日に朝からビール! YouTube見ながら筋トレ
看護歴:23年
キャリア:
2002年新卒
~3年目 大田病院の腎臓内科病棟に配属
4年目~ 呼吸器内科病棟に異動
7年目~ 大田病院附属大森中診療所に異動し3年目に主任。
15年目~ 大田病院呼吸器内科へ異動。1年後に主任になり、2年後に師長
20年目~ 外科病棟へ異動。師長。
*呼吸器病棟で2人、大森中診療所で2人出産しました。それぞれ育休は1~3か月程度でした。以前は今ほど育休手当がなく働くしかなかったです。
✅大田病院看護師(常勤)募集要項
✅大田病院 看護師(非常勤)募集要項
私が高校性のとき薬害エイズなどが問題になり始めた頃でした。医療や人権がニュースになっていた時期で、医療って?と考え始めたことがきっかけでした。
「看護師とか大変そうだから、介護の世界もいいかな」と思ったのですが、親に「あなたの関心がある分野を考えると、看護師の方が近いんじゃないか」と言われて、看護師に決めました。
熊本県の看護大学に進学し、看護師だけでなく保健師も取得しました。
私は、みんなの意見を聞くことを大切にしていきたいという思いから労働組合の執行委員を長年やっていました。
当時、次期執行委員長になる予定でいましたが、「病棟師長として頑張ってほしい」と労働組合の役員からも言われて、師長になりました。
患者さんの希望をちゃんと聞く、というところが一番大切だと思っていました。
病棟のみんなもその思いは一致していると思います。
急性期病棟で外科が多いので、他の内科病棟に比べると若い患者さんが多いです。
入退院の回転も速いです。HCUの対象の方は人工呼吸器をつけている人が多いです。
ターミナルの緩和ケアもあります。
手術して、術後の化学療法を何年もやって、入退院を繰り返してきた患者さんが、化学療法の効果も期待できなくなり、ADLが落ちてきて緩和ケアとなる過程につきそっていくことがあります。
手術からずっと長く関わってきた患者さんを看取りまで支えることもあります。
また、退院後訪問は力を入れています。スタッフが経験できるように、2ヶ月に1回くらいは各チームで行けるよう取り組んでいます。
コロナ禍は中止していたのですが、コロナが明けた去年度の終わり頃より、感染対策が変わっていく中で再開しました。
入院が長引きドレーンが入ったまま自宅に帰るという患者さんに、退院後訪問をやろう!となり、実現できた経験がスタッフの中で大きかったように思います。
その経験をした看護師が、退院後訪問に行って良かったと声を上げてくれていることが私の支えにもなっています。
まず朝礼で、入退院や手術、化学療法の予定などを共有して、大まかに全員で調整します。
その後に「カンファレンスしてからラウンドへ。大体排泄介助から始めます。患者数が多くないので、動き出しは早いです。
5病棟のチームは2つあり、HCUで1チーム。その日の入院数などによって、チーム間で応援しあいます。
全介助のストレッチャー浴は週に2~3回なので、保清もヘルパーと看護師でフォローに入るなど小回りはききます。
HCUが忙しくなるときがあるので、それによっても体制を調整します。話し合いながらやっています。
主任、役職者は30~50代。
スタッフは20代8名、30代8名、40代2名、50代2名で、若手を中心にベテランの支えもあります。
雰囲気はすごくいいと思います。
話し合いやカンファレンスができ、コミュニケーションがよく取れています。
リーダーや中堅以上は、非常勤の方も含め、若手への指導や声掛けはすごくできています。
中途入職の方も若手も「育てていこう!」という決意で頑張って新入職員を受け入れています。
とにかく『一人にしない』『こちらから声かける』ということ。
だいたい1~2週間くらいは誰か担当をつけて声をかけたり、本人の希望や不安なことを聞いています。
必要な場合は技術チェック表なども使い、チーム全体にわかるようにして、はじめてのことは必ず一緒に行ってほしいと伝えています。
はじめてのことを一人でやらせることはないように、ということを職場にも本人にも伝えています。
今までも「成人看護がはじめて」「手術室しか経験がない」という人は技術チェック表を使い、これは経験がある・ないというのを本人と周りにわかるようにしています。
中堅の人でも必要があれば相談役をつけるようにしていて、その日のチームリーダーと相談役にいろんなことを集中するようにしています。
本人が「次の日にこれをみる」とわかっている場合は自己学習もしてもらいますが、基本的にいつでも一緒に手順書を確認して行い、ひとりではさせないで、出来ているかどうかのフィードバックもします。
「できているよ」としっかり伝えるようにしています。
人それぞれ不安や経歴も違うことが前提です。
病棟の患者層や疾患が未経験な人には、技術チェック表を使った方がいいかを役職者で話し合って、未経験なところが本人と周りにわかり、「はじめてです」と言いやすい雰囲気にする、ということをみんなに伝えています。
それは、誰でも不安なことを言えるようにして、無理させて患者さんに不利益になることがないようにしたいという思いがあるから。
「安心してできる」というのが結局は患者さんにとっても一番だと思います。
夜勤は3交代ですが、3交代未経験の方も多いです。
日勤の深夜入りというシフトが人によってハードルが高く感じやすいのでまず準夜勤を先にできるようになってもらい、慣れてきたら深夜入りをやってみるかを本人と相談して始めることにしています。
一緒に夜勤を同行した看護師の評価と、本人自身の評価を、必ず両方聞いています。
繰り返しになりますが、「わからないところがちゃんと聞ける」ことと、「一人でやらせない」ということです。
日勤はチーム3~4人体制。HCUは1.5~2人体制。夜勤は3人体制です。
残業は月約10~15時間です。
希望休は3日ですが、みんなもっと出してきます(笑) でもほぼ100%希望を通しています!
希望が重なりどうしても難しいときは「こことここならどっちがいい?」と一人ひとりに聞いたりはします。
やっぱり、毎日大変だから、休みくらいとらせてあげたい。せめてものモチベーションにつながればと思っています。
希望出さない人はいますけど、「いいの?」と、少し心配しています。あんまり聞くとハラスメントになるから聞かないようにしています(笑)
夜勤は若手だけにならないように、と配慮しています。
一つは、スタッフが「この患者さんにこんなケアがしたい」と思ったことが実現できる体制をつくること、もうひとつは、多職種への橋渡しが、私の役割と思います。
チームがこの患者さんのことで悩んでいるときに「先生、ちょっとこの患者さんカンファしてくれませんか?」とか、「ここ悩んでいるみたいだから」と相談します。
悩んでいるところを発信していくというのも、それぞれスタッフのみんなにできるようになってほしい、と言っているし、「できているよね」と一人ひとりに返すようにしている中で、「この患者さんが」というのが上がってくる。
これ見たことないよね、となったら学習しよう、とかそういうところを外さないように、と思っています。
いろいろありますが、以前業務改善の中で、ガーゼ交換の回診に看護師の同行をやめ、医師に記録してもらえるように提案しました。
その結果、想定していましたが、医師たちが回診でやっていることが私たち看護師に見えにくくなってしまうという弊害が生じました。
そこで、医師たちに相談して、特定の患者さんについては曜日を決めて回診時声かけてもらうようにしまし、写真を撮ってカルテに残し、創部の状況を共有できるようにしました。
この業務改善によって、回診につくタイミングも医師の都合で時間が定まらないうえ、結構な時間がかかっていた状況が大きく変わり、さらに医師との情報共有が円滑にできました。
緊急手術などでうまくカンファレンスの時間がとれず、悔しい思いをしたこともありましたけれど。
でも、このように、チームから上がった声を医師に伝えチームの悩みを改善する橋渡し的な役割が自分の仕事と思っています。
今の課題もいろいろありますけど、患者さんの希望を聞き、「この人のためにこういうことをしたい」と先輩看護師が動いている姿を若手に見てもらって、今度は若手が中堅になったときに、もっとそれを発信していく。そんなふうに発展させていけたらと考えています。
5病棟の看護の土台がやっぱり揺らがないように、今やっている看護をみんながもっともっと発展させられるように、みんなの患者さんへの思いや悩みをきいていきたいということです。
外科のチームでは人工呼吸器に携わる機会が少ないのですが、HCUを担当することもあり、外科病棟にいながらも重症患者さんにも携われるのはスタッフにとって貴重な経験になります。
スタッフの課題に合わせて様々なケアを経験してほしいなと思っています。
2~3年目の看護師にもHCUも担当できるように育てていこう、と役職者では話し合っています。
私としては、過去に看護師が定員割れしてベッドを閉じた経験もあって、「今年は新しい人を受け入れて育てていく年だ!」と、役職者に確認して、スタッフみんなにも伝えてきました。
新しい人を受け入れ育てて、安全に医療をすることが大切だと思っています。
若手を受け入れて指導していく中で、成長している姿を見れば、みんなの自信にもなりますし、看護師としてステップアップにもなります。
看護師の成長は結果として患者さんに還元されるので、大田病院がいい、5病棟がいいという人は基本的には受け入れていこうと思っています。
「患者さんのためになりたい」と思って看護師を志した人なら悪い人はいないと思いますので、どなたでもどうぞ!!
この病棟は急性期だけでなくてターミナルケアもありますのでいろんな学びがあります。
特に退院後訪問は、看護師としての視野を広げる取り組みで、ぜひ経験していただきたいです!
✅大田病院看護師(常勤)募集要項
✅大田病院 看護師(非常勤)募集要項
✅看護師募集要項一覧
【師長インタビュー】
・♯01 おおもりまち訪問看護ステーション副所長はどんなひと?
・♯02 手術室師長はどんなひと?
・♯03 回復期リハビリテーション病棟 師長はどんなひと?
・♯04 地域包括医療病棟 師長はどんなひと?
・♯05 急性期一般病棟・地域包括ケア病床 師長はどんなひと?
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・【中途採用】看護師の直接応募者支度金制度について