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2022.10.03

訪問看護師の仕事内容・必要な資格やスキル・病棟勤務との違いや転職について 

2022年11月14日 追記

訪問看護ステーションのスタッフ

現在、訪問看護ステーションの数は増え、少子高齢化がさらに進む今後も必要性や需要は増えていくことが予測されます。
名前は知っていても、実際には、訪問看護ステーションや訪問看護師について詳しく知らない、という方も多いのではないでしょうか?

看護師を目指す方、訪問看護ステーションへの応募を考えている方などから、よくいただくご質問に答える形で、訪問看護の仕事内容や、必要なスキル等についてご紹介していきます。


また、現在大田病院の系列の訪問看護ステーションで働いている看護師にインタビューし、ブランクを経て入職した経験や、やりがいなどを聞きました。
訪問看護師に興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。

 

――目次――

 


訪問看護ステーションってどんなところ?

訪問看護ステーションは、住み慣れた地域・自宅で自分らしい療養生活が送れるように、医師や看護師等の医療専門職やケアマネジャーと連携し、訪問看護サービスを提供する事業所です。

基本的には退院後の療養支援が主ですが、自宅療養でも通院や訪問診療だけでは病状が安定しない方の自宅に訪問しサポートします。
在宅療養する方が(乳幼児から高齢者の方まで)対象となり、ご病気や年齢、制度により医療保険または介護保険で訪問します。
バイタルサインはもとより、自宅での入浴介助や点滴・呼吸器管理・創傷処置などの医療行為、リハビリや療養相談指導などを行います。

訪問看護ステーションから訪問看護ケアを行う医療専門職は、看護師や准看護師、保健師、助産師や、リハビリテーションにあたる理学療法士や作業療法士などが所属しています。

 


 訪問看護師になるには? 

当法人は、訪問看護の新人教育制度はありませんので、基本的に3年目以上の看護師経験やスキルが必要となります。
あとは自転車に乗れる方。それさえあれば、ブランクがあっても働けるので、どんな方でも可能だと思います。

訪問看護師になるために必要な資格

まず正看護師の資格が必要です。
当法人の訪問看護ステーションでは、准看護師の方は対象外となります(病棟・診療所では准看護師も可能です)。
訪問看護師になるためには、一般病棟での基本的看護技術のベースがあれば問題ありません。
また、自動車運転免許は必要なく、自転車に乗ることができれば大丈夫です。
訪問看護は未経験でも、研修含め丁寧に指導しています。
ブランクがあっても一人ひとりに合わせた同行訪問を組み、少しずつ慣れていっていただけるようにしています。

看護師として経験は絶対必要?

訪問先で、患者様に合わせてさまざまな看護を提供するため、看護学校卒業後3年以上の経験があるのがベターです。
必要なスキルに関しては、「訪問看護師に必要な看護スキルは?」をご参照ください。

 


訪問看護師に必要な看護スキルは?

一番重要なのは、コミュニケーション力です。
医師や他職種、利用者・ご家族と連携していく力が求められます。
その他のことは、入職してからスキルを上げていけます。
生活環境の情報を把握する力、緊急時に対処できるスキル、限られた時間の中でケアを行うスキルなども大切です。

訪問看護師が行う看護内容・医療処置

病状観察、服薬管理指導、本人・家族からの療養相談、メンタル療養指導、入浴介助や清拭などの保清、浣腸や下剤での排便援助、リハビリ、点滴や呼吸器の管理、自宅での腹膜透析。

病棟勤務の看護師との違い

1対1の看護が提供できることが、病棟との違いであり、訪問看護の魅力ともいえます。
病棟では、ナースコールや目まぐるしい動きの中で、目の前の患者さんのケアが途切れがちになることもしばしば。
それに比べて訪問看護では、30分、60分と目の前の利用者さんのケアに集中できます。
基本的に利用者さんの自宅で看護を行うので、利用者さんそれぞれの生活環境にあわせたケアが必要になります。
また、関わる方々の負荷が大きい在宅療養では、ご家族も含めての支援も、病棟看護より幅広く必要になります。

 訪問看護師の仕事風景

 

 

病院のように機材は整っていない中のフィジカルアセスメントについて

ベースは自己学習ですが、訪問看護の疾患は多岐にわたるので、疾患や医療機器について職場で学習会を実施し、全体で知識の共有ができます。
また、毎朝のカンファレンスで、チームとしてアセスメントを実施し、訪問時のフィジカルアセスメントに活かしています。
このように、個人での学習は大切ですが、職場全体の知識やアセスメント力を向上できる取り組みもしています。

 


訪問看護師の仕事内容

実際にどのような仕事をしているかイメージしていただくため、訪問看護師の一日のスケジュールをご紹介します。
また、病棟看護師とどう違うのか、どんな特長や魅力があるかもご紹介します。 

訪問看護師の1日のスケジュール

訪問看護師 通勤


●8:50~ 
朝礼で本日の動きや利用者の申し送り、重要事項の共有などを行います。疑問点なども相談してからの出発になります。
●9:30~12:30 
訪問 暑さ寒さ対策をして、電動自転車に乗って、さぁ出発!午前中に3件ほどまわります。訪問中に困ったことがあれば、いつでも所長に電話で相談できるので安心。
●12:30~13:30 
昼休憩 今はコロナでおしゃべりできませんが、昼ともなれば何でも気軽に話せる職場です。子育ての悩みを相談できる先輩もたくさん!
●13:30~16:30 
訪問 午後も3件ほどまわります。
●16:30~16:50 
申し送りなど
●16:50 
退勤

 けいひん訪問看護ステーションの仲間

 

個人訪問が多いため、急変時の対応や迅速な連携

スタッフ全員が訪問時には職場スマホを携帯し、迅速に情報共有や連絡がとれるようにしています。
些細なことでも困ったときは一人で悩まず、所長や主任、プライマリーに連絡を行っています。

利用者と家族のメンタルケア

それぞれのご家庭や環境に合わせ、訪問ケア中や玄関先、ときには電話連絡での相談やメンタルフォローを行っています。
メンタルフォローには、気兼ねなく何でも話していただける関係づくり、日頃からの丁寧なコミュニケーションが大切です。

何かあったら相談してみよう、と思っていただけるように、スタッフ一同心がけて訪問ケアに臨んでいます。
また、必要時にはケアマネジャーや主治医とも相談し、レスパイト入院の検討なども含め連携をとっています。

 


 

訪問看護師として働いている先輩の声

 

訪問看護師として働いている看護師の声1

Profile
看護学校卒業後、大学病院循環器科に勤務。
出産を機に離職し、ブランクを経て、2011年入職。

 

Q.病院での看護経験はありますか?
A.
看護学校を卒業してすぐ大学病院で働いていました。
循環器の病棟で、個室の病棟だったので、いろいろな疾患をみていましたね。
糖尿病の方や、心臓カテーテルの患者様が多く、対応に追われていました。
残業も多くて夜中に帰宅することも多かったです。


Q.訪問看護師になったきっかけを教えてください。
A.
私の父は、私が小さいときから入退院をくり返していました。
家で過ごすことが誰よりも好きだった父は、「自宅で療養を手伝ってくれる人がいたら…」とよく言っていました。
そんな父の話を聞いて、人と関わる仕事で父の助けになれるなら…と思い、看護師になりました。
看護師になってから子どもができて大学病院を辞めたのですが、復職したい気持ちがずっとあって…。
父のこともあり、自宅で療養する方を支えることに興味がありました。


大田病院は、子どもをみてくれる保育所があり、訪問看護のシフトが自分に合っていたので決めました。

大田病院の院内保育の紹介


Q.訪問看護師になって大変な事はなんですか?
A.
訪問看護は初めてだったので、ブランクもあったし、一人で訪問して困ったら誰に相談しよう…とか、急変していたらどうしよう!とか、毎日がハラハラ・ドキドキでした。
でも、携帯電話で、所長や往診医につながるので、相談できて助かります。
一人で訪問に行くので、アセスメント力を上げること、常に勉強することも、大変だけど、やりがいがあります!


Q.訪問看護師のやりがいはどんなところですか?
A.
ターミナルの利用者様のご家族から、「あなたに会えて、最期までみてくれてよかった」とか「あなたが来ると本当に表情が変わるのよね」と言っていただけたり、ご本人が少しずつでも病気を受け入れて、一緒に頑張って、楽しく療養できる方向へ整っていくと嬉しいです。

訪問看護師の仕事の様子


Q.訪問看護師を目指す方にメッセージをください。
A.
大学病院で働いていたときより、在宅での仕事は、その人と一時間なら一時間みっちり関われるし、その人の生き方・人生に触れ、勉強になることも多いです。
利用者様が家で安心して過ごせるお手伝いができることは、本当にやりがいがあります。
困難なこともあるけれど、本当に楽しく、病棟にいたときよりも笑って働いている気がします。
ぜひ一緒に働いて、看護を楽しみましょう!

 


 

 

訪問看護師として働いている看護師の声2

Profile
総合病院で経験を積み、結婚・出産を機に専業主婦へ。
子どもの保育時間内や扶養内でも働けるところを探し、2021年入職。


Q.病院での看護経験はありますか?
A.
総合病院の混合病棟(眼科・歯科・形成外科)と、循環器専門病院の一般病棟などで働いていました。


Q.訪問看護師になったきっかけを教えてください。
A.
結婚・出産を機に専業主婦になったので、ブランクが長いことが心配でした。
また、下の子が幼稚園児だったので延長保育時間内で、扶養の範囲内で働けること、という条件でも働ける職場を探していて、看護師求人サイトで紹介していただいたことがきっかけです。


Q.訪問看護師になって大変な事はなんですか?
A.
最初は先輩と同行訪問ですが、慣れると基本一人での訪問となり、判断を下す場面で迷うことがあります。
時間も限られているので、そのようなときは大変ですが、職場携帯があるので、その場で先輩や上司に電話相談することもあります。


Q.訪問看護師のやりがいはどんなところですか?
A.
「待ってたよ」「あなたに来てもらえてよかった」と言われるのが嬉しいです。
以前、ご家族と私との雑談が盛り上がり、普段は物静かな利用者様がそれを聞いて大笑いしてくれたことがあり、そんなときにはこの仕事が好きだなと思いました。

訪問看護師の仕事の様子2


Q.訪問看護師を目指す方にメッセージをください。
A.
悪天候の日などは大変なときもありますが、それが利用者様との会話の糸口になりますし、「こんな日なのに来てくれてありがとう」と感謝されると頑張れます。
夜勤がなく、基本的に土日祝が休みなので、子育て中のママさんでも働きやすいと思います。
ブランクの長かった私でもやっているので、ぜひ一緒に働けたら嬉しいです!

 

 

 


 

訪問看護師についてよくあるご質問


Q.訪問看護師に向いているタイプや性格はありますか?
A.
なんといっても、人が好きな方!これは大前提です。
また、自分からコミュニケーションをとることができ、どんなご自宅でも行ける許容力のある方。
ポジティブ思考の方も向いていると思います。


Q.どのような疾患の患者様が多いですか?
A.
心不全や脳梗塞、COPDなど慢性疾患や、癌末期の患者様などがいます。
また、統合失調症など精神疾患を抱える方もいます。


Q.患者様の記録はどのようにしていますか?
A.
基本的には訪問先で記入し、複写を利用者宅に保管します。
そうすることで、夜間緊急などで訪問した際に最終の状況把握ができ、他職種やご家族との情報共有にもなるからです。
プライベートなことや配慮が必要な内容については、職場に戻ってから記載します。

 

Q.自動車運転免許は必要ですか?
A.
自動車運転免許は必要ありません。訪問看護師は皆、電動自転車を使って訪問へ出かけます。道路の混雑状況に左右されずに利用者様宅へ行くことができます。当法人では大田区・品川区エリアを、6つの事業所・営業所を拠点にカバーしているため、訪問先は自転車で行ける範囲となっております。

 

Q.夜勤や、休日出勤はありますか?
A.
訪問看護は、夜勤はありません。
常勤職員は、各自で月7日、24時間携帯を所持して、夜間の利用者様・ご家族様からの連絡に電話や、時に出動して対応します。
パートの方は、基本的に携帯所持はありません。
休日出勤については、ステーションにもよりますが、基本は常勤職員かつ携帯当番者がメインで勤務となります。
年末年始などの連休は、常勤職員をメインに訪問を振り分け、出勤となります。


Q.訪問看護の一日に回る件数を教えてください。
A.
訪問1件につき約1時間を目安に、午前・午後と3件ずつ回ります。
午前の訪問のあとはステーションに戻り昼休憩をとり、午後の訪問が終わったら再びステーションに戻り申し送りなどをします。


Q.ブランクがありますが、研修や指導などはどのような制度がありますか?
A.
研修は、その方のご経験に合わせて組んでいます。
ブランクがある方だけでなく、訪問看護が未経験という方にも、まずは先輩看護師と同行訪問をしていただきます。
土地勘のない方にも、道路状況や近道などもお話しながら一緒に訪問し、実際の動き方や、利用者様・ご家族様の状況、一日の流れなどをつかんでいただけるようにしています。
同行訪問は、何回までと設定せず、その方に合わせて行っています。


Q.訪問看護師は未経験です。入職の勤務の流れを教えてください。
A.
入職後は、他のスタッフと一緒に朝礼・申し送りをしたあとに、訪問へ出かけます。はじめは先輩看護師が同行します。
昼休憩のときや、退勤前の申し送りの時間には、ステーション内で他のスタッフと、訪問先での出来事や困りごとを共有・相談する時間があります。

訪問看護は未経験という形で入職される人は多いので、今はベテランとなった先輩看護師も、はじめての頃の戸惑いや悩みには共感できます。
慣れるまでしっかり同行訪問を組み、一人で利用者様宅へ訪問するようになっても何かあれば職場スマホですぐに相談できる体制がありますので、未経験でも安心して経験を積みスキルを磨いていただけると思います。
プリセプター制度はありませんが、指導要綱や技術チェックシート、指導シートを用いて、主任を軸に毎日の振り返りや月1回の面談を行い、不安についても相談しやすい環境を心掛けています。

 


 

まとめ

午前・午後と患者様宅へうかがい、じっくりと一人ひとりに向き合って看護・ケアを提供する訪問看護師の姿をイメージしていただけたでしょうか。
インタビューに答えた訪問看護師は、子育てと仕事を両立するママさんナース。


訪問看護の経験がなくても、ベースとなる看護技術があり、人が好き!コミュニケーションをとるのが好き!という方なら、入職後からスキルを磨いていくことができます。


在宅看護に興味がある、目の前の患者さんに向き合いたい、ブランクがあり自信がない、短時間で無理なく働きたい、などなど、最初のきっかけはいろいろあっても、始めてみるといつの間にかはまっていくのが訪問看護。

当法人の訪問看護ステーションでは、就職を決める前に、体験も可能です(感染状況により難しい場合もあります)。
長い看護師人生の中で、少しでも訪問看護に興味をもたれているなら、迷うよりまず、一歩踏み出してみてください!

 

城南福祉医療協会 訪問看護ステーションで一緒に働きませんか?
現在スタッフを募集しています。 

 

 

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